1月7日、土曜日。
2017年はイタリア在住のソムリエらしく、ワインの勉強をしなければと思い立ち「近所にあるカンティーナ(ワイナリー)も全然行けてないわ。どこから行くものか?」と悩んでいたところ、 パートナー氏の元に「ワインを直接、生産者まで買いに行きたいんだけど、一緒に行かない?」一本の連絡が入りました。因みに、パートナー氏は生粋のイタリア人。生まれは北部のピエモンテ州で、今の住まいがここマルケ州。彼自身も10年ほど前にAISのイタリアソムリエの資格を取り、趣味としてワインを楽しんでいて私にとってはワインの師匠の様な存在です。
そんなパートナー氏が今回お友達のために選んだカンティーナさんはこちら。
Viticoltori Finocchi  ヴィティコルトリ フィノッキ
カンティーナがあるStaffolo/スタッフォロはアンコーナから山側へ30Km程度。マルケ州だけで生産される白葡萄種『Verdecchio/ヴェルデッキオ』を使ったワインで有名なエリアです。この生産者さんは2017年版のAISが選ぶマルケ州で飲むべきワインの一つにも選ばれいて、パートナー氏のお眼鏡にかないました。本のページ右側のボトルの右肩に小さく葡萄のマークが見えますよん?それが受賞の印しです。
(マルケ州らしい、やわらかな丘にある彼らの畑と、雪が積もった当日の様子。)

さて、この日は驚くほど寒い日でしたが、私たちが到着した午前11時頃にはカンティーナはSfuso(量り売りワイン)を買い求めるお客様でいっぱい。そんな中、ひいおじいちゃんの時代からのワイン造りを受け継ぐご兄弟マルコ氏、マウリツィオ氏のお二人が私たちを快く出迎えてくれました。屋号のFinocchiは彼らの名字とのこと。野菜のFinocchioの複数形かと思っていた私って一体‥? (Finocchioは日本ではフェンネルと呼ばれています。イタリア語ではOで終わる単数名詞の多くは、複数形になるとそのOがIに置き換わります。)
「ワインの試飲、あぁ大丈夫さ!どんな感じで飲んでみたいの?」と、その場で早速試飲開始。試飲用の整頓された美しい部屋でもなく、まさに今ワインを売っていた暖房も椅子も無い店先で私たちの試飲会は始まりました。
あ、でも、受賞の賞状もちゃんと飾られていますよ!
身振り手振りいっぱいで、詳しく説明中の図。ひいおじいちゃんが1900年初頭にワイン造りを始められ、今では育てる葡萄にあわせて4エリアで畑を所有し、ワインを製造するカンティーナも新しく建て替えられたとか。立派ですね!
この日戴いたワインは以下の通り。

『Incrocio Bruni 54』  I.G.T. Marche 2015
Verdecchio dei Castelli di Jesi D.O.C Classico 2015
『IL POJO』 Verdecchio dei Castelli di Jesi D.O.C Classico Superiore 2015
『FIORE』 Verdecchio dei Castelli di Jesi D.O.C.G Riserva  2012
『GIOVE』 Marche Rosso I.G.T. 2012
『FILELLU』 Rosso Piceno D.O.C  2011
『VISCIOLE』 このエリア特産の甘口リキュール。さくらんぼのエキスと赤ワインで作られます。

 

 

 

 

 

 

ワイン試飲のお供に、と急遽用意してもらったお口合の品々。タッパーに入ったままで出されたサラミは自家製だとか。塩の加減と脂の具合が最高でした。羊の乳を使ったチーズは、なんと近所に住むサルデーニャ地方から来た方が作ったものとか!サルデーニャ島は羊牧が有名なのです。抜群の美味しさ。ドルチェはマンマお手製でVISCIOLEとのアビナメントに持って来い!さすがイタリアンマンマ。よくわかってらっしゃります。
『Incrocio Bruni 54』  I.G.T. Marche  は、ソーヴィニョンブランとヴェルデッキオの交配種の葡萄、その名もIncrocio Bruni 54 を使ったワインです。ヴェルデッキオの力強さとソーヴィニョンブランの柑橘系のあるニガ爽やかさがあいまった味わい。

Verdecchio dei Castelli di Jesi D.O.C Classico は、ヴェルデッキオ100%のシッカリボディの白ワイン。ヴェルデッキオらしい骨格のしっかりした、それでいて少し華やいだ雰囲気が最後に感じられます。

『IL POJO』 Verdecchio dei Castelli di Jesi D.O.C Classico Superiore   は、クリュ(ぶどう畑)を選別し、選りすぐりヴェルデッキオ葡萄を使っています。瓶詰めまでに1年間の熟成を施し、味わいもすこし落ち着いた深みを感じられます。香りはフローラル、アーモンドなど。味わいはアロマティックで少しスパイスの感じもあります。

『FIORE』 Verdecchio dei Castelli di Jesi D.O.C.G Riserva  は樽熟成を施した、かなりしっかりとした味わい。ただ、ヴェルデッキオが果実感の高い葡萄なので、熟成感があいまっても古びた感じはなく、トースト香、アーモンド香の中にも生き生きとした果実感が楽しめるのが特徴的です。ソースをしっかり使った魚料理なんかにとっても合いそうですね。

 
Giove と FILELLU のエチケットは新しくなります。サイト参照ください。

『GIOVE』 Marche Rosso I.G.T. 「サンジョベーゼ100%だから『ジョーヴェ』って名前なんだ」と、ダジャレか!と突っ込みたくなったこちらのワイン。栽培し始めた時期は21世紀に入ってからで、今回味見させていただいたものが、市場に初めて出たヴィンテージだとか。樽熟成を経ているので、味わいはまろやか。サンジョベーゼらしい酸味も美しく感じられ、バランス良し。

『FILELLU』 Rosso Piceno D.O.C こちらはほぼモンテプルチアーノ種で、ジョーべ同様、樽熟成を経たもの。山葡萄やブルーペリーなのフルーツの香りも楽しめ、ワイン感があり、ほどよいボリュームが楽しめます。

『VISCIOLE』 さくらんぼのシロップと赤ワインを使って作られた甘口リキュール。こちらでは食後の口直しとして、また、ドルチェと合わせます。多くの生産者は完成した赤ワインを使うのですが、彼らは赤ワインになる前のモストと呼ばれるぶどうの絞り汁とさくらんぼシロップを合わせ発酵させています。味わいは全然違いますよ!甘さがとてもマイルド、酸味もとっても気持ちよく、甘いリキュールが苦手な私でも、酸味とアルコール感に助けられ美味しく頂けました。

100年以上も前から続く家業を受け継ぎ、つくりたいワインにあわせてブドウ畑を選定し購入している彼ら。葡萄の栽培や扱いに対するこだわりも強く、今だに収穫は手作業で行っているとか。もちろん世界にも目を向けていて、VinItalyにも10年ほど参加し海外数か国へも輸出を開始しているそうです。
寒さが厳しく、彼らご自慢(おそらく)の新しいカンティーナに伺うことができなかったのが心残り。ま、また来る理由が出来たからOKとしておきましょう。

2017年1月11日
丹羽淳子 にわあつこ Atsuko Niwa

追伸)その晩に早速彼らのスプマンテ、開けちゃいました。フルーティで苦味あり。ピザにぴったり。美味しい♪

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カンティーナ名 Viticoltori Finocchi  ヴィティコルトリ フィノッキ
HP http://www.viticoltorifinocchi.it
住所 via Donatori del Sangue, 6, 60039 Staffolo (An) Italy
問合せ   info@finocchiviticoltori.it
電話  (+39)0731.779573
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