マルケ州ワイナリー『Le Caniette/レ・カニエッテ』へ

フィレンツェからやって来たソムリエカップルと巡るマルケ州のワイナリーシリーズ第2弾。第1弾の『Sartarelli』編はコチラから。また1週間以上日があいてからの投稿です。忘れないように早く早く!と思いながら、もうこんなに日が経っていて「そりゃ、年を取るのも早くなるわ」と納得です…。 さて、気を取り直して本題です! このカンティーナ(ワイナリー)、マルケ州の最南部のアスコリピチェーノ県に位置します。もう少し南側はすぐにアブルッツォ州。アドリア海から少し内陸部にこのカンティーナは位置しますが、写真の通り高台に位置し、その為アドリア海も望むことが出来ます。この地勢が美味しいワイン、いや、マルケ州独特のワインを産む秘密なんでしょうね。ただ、このエリアになるとヴェルディッキオは栽培されておらず、白ブドウの品種はもっぱら、ペコリーノとパッセリーナなどになります。こちらのワイナリー探訪を所望したのはわがパートナー。美味しいと有名で、確かに私も何度か彼らの受賞したワインを頂戴したことはあります。でも、実際あまり味を覚えていなくて、エチケットの印象のみ。そのエチケットもあとからご紹介いたします。
 
さて、試飲の前にはお決まりのカンティーナ内探訪。
ひょえ!樽だらけ!大きな二部屋を見学できるのですが、おなじみのステンレスタンクなどは見受けられず、全て木樽が配されています。「山の傾斜に堀り込む形で造っているから涼しんだよ」とのこと。確かに涼しい。それにしても、生産量がそれほど多くないと聞いていましたが、その割合としてこの樽の量は多すぎない?と不思議に思っちゃうほど。でもよくわかりました。フレッシュさが決め手の白ブドウ品種、ペコリーノにも樽熟成をしたりするんです。なるほどね~。
試飲スペースとなるのはこちらのサーラ(部屋)。前面がガラス張りで、最初写真の風景を楽しめます。室内の調度品もオシャレですね。どんなワインがいただけるのかワクワク。
この日、私たちを3時間にわたってガイドしてくださったのは、こちらのカンティーナのオーナーさんの一人、Ginoさん。ご兄弟で運営されているらしいです。Ginoさんは基本は畑の管理が主。土曜日にもかかわらず、3時間も我々にお付き合いくださって本当に感謝です。途中、奥様から「私らこれから海に行くから」なんて電話も受けてらっしゃりました。彼の説明はとっても丁寧。でもコマーシャルな感じは全くなく、作り手として実直にわかりやすくお話しくださった姿が印象的でした。本当に、ワイン、そしてカンティーナは「人」が作るものですよね。美味しさの印象も、その対応一つで全く変わります。どんな仕事、事象でもこれは根本として変わらずあるものでしょうね。

試飲1つめ。Lucrezia  GP Passerina 2016
100%パッセリーナを使った白ワイン。こちらは樽は利用せずステンレスタンクのみでの精製。香りはお花やフルーツの香りがはっきりと感じられ、味わいも華やか。さらっと簡単に飲めちゃう白ワインかと思っていましたが、味わいも豊か。
2つ目は  Veronica  DOCG OFFIDA Pecorino
ペコリーノ100%。こちらもまたペコリーノが持つ個性をしっかりと感じます。ちょっとトロピカルな黄桃やパンションフルーツの感じ、酸味も綺麗で飲みごしよし。7ヶ月の瓶熟成、フィルターせずに澱も一緒に瓶詰めしているとか。
因みに、こちらのワイナリーのブドウはBIO認定を受けています。自然の力をしっかりため込んだ味になっている!と実感。

そしてそして3本目、4本目は、嬉しい驚きがあった DOCG OFFIDA PECORINO「IO SONO GAIA」。私はGAIAよ。という意味のワインなのですが、なぜにこの名前かと言いますと、先の二本の白ワイン、どちらも娘さんのお名前らしいんです。でも、まだお一人名前がワインになってらっしゃらない娘さん,GAIAさんがいらしゃり、その彼女の名前を一番新しくできたワインに、彼女が小さい時に描いた絵をエチケットにして付けたんだとか。確かに、このエチケットは個性的ですよね。そして、味わいも個性的。それもそのはず、こちらが件の1年間の樽熟成をきかせたペコリーノワイン。味わいに丸みを帯び、かなりスモーキーな雰囲気が漂います。ヴァニラ香ですね。さわやかさは薄れもったりまったりとした感じに。「これって、もっと待って(熟成させて)から飲んでみたらどうなるの?」と2015年モノ(写真左)を戴いてからGinoに素朴に質問をしたら、なんと特別に2010年のヴィンテージも試飲させてくださいました! それが写真右。色が全然違いますよね。これほど変わるものなのか。。。とびっくり。味わいも驚くほどにまろやか。しっかりと感じていたバニラ感がやらかく、何のひっかかりもなく口の中を通っていく素敵な味わいです。これは嬉しい発見でした。

 はい、それでは5本目。やっと赤。
ROSS BELLO
DOC PICENO サンジョベーゼ50% モンテプルチアーノ50% うーんなんでもとっても美味しいんです。まず一つ目は香りが高い。この日は猛暑だったのに、こんなに赤ワインが美味しく感じるとは…。酸味を感じ、赤い小さな木の実の香り、味わいもブルーペリーやラズベリーの酸味の利いた甘さがあります。こちらはステンレスもしくはセメント樽のみでを使って醸造されています。

 
6本目は MORELLONE DOC PICENO 70%モンテプルチアーノ 30%サンジョベーゼ  2年間の樽熟成を経て、モンテプルチアーノ多め。しっかりした味わい、ボディ、余韻、まろやかさUP。
7本目 Nero di Vite(ぶどう畑の黒)サンジョベーゼ50% モンテプルチアーノ50%  お値段がちょっと上がります(笑) こちらは、新樽を使って3年間の熟成を利かせたもの。このクラスに来ると味わいもかなり変わってきます。このワインだけを噛んで飲みたい。ブルーベリーや黒い果実をじっくり煮込んだような甘さ、でも酸味もうっすらとあり、タンニンも綺麗に感じることでき、余韻ももちろん長い。チョコレートの苦みや、野菜の持つ青苦い味わいも感じられます。

そして、最後の1本はこちら。Marche Rosso IGT Cinabro。 Bordò 100%。
このクラスのワインはなかなかマルケ州では出会わない逸品。Bordòと呼ばれる品種で、クローンはグルナッシュ(実際のところ、いまだちゃんとは解明されていないとか)、こちらを100%利用です。因みにフランスは全く関係ありません。
30ヶ月、115lというミニ木樽で熟成、その後瓶詰めし、最低6ヶ月間の熟成を経てリリースされます。Ginoさん、このワインを試飲するために特別なワイングラスを用意してくださいました。グルナッシュってこんなんでした?(私のイメージは甘さとタンニン)というような、スパイス感。甘さはありますが、今までの経験のある、ねっとりした甘さというよりも、サラッとした果実感の甘さです。タンニンはほどよく柔らかくなり、余韻が長い…。これはもったいなくて残さず全部いただきました。そして、我が家にも1本お持ち帰りさせていただきました。恐らく、勿体なさ過ぎて何年も飲まずに大事に温存されている事でしょう…。
こちらのこのBordòを使ったワインは、このエリアの少数の生産者で大事に造られているシリーズだそうです。マルケ州で知らない人はいないであろうカンティーナ『Oasi Degli Angeli』もこのうちの一カンティーナだそうですよ。 こちらのLuciano Pignataroさんのブログに紹介されていました。
 Grazie a http://www.lucianopignataro.it/

我が家から車で1時間程度の場所。それだけの距離なのに、全く異なる性質、味わいを持つ異品種のワインが楽しめます。そして、この近くにも数多くの素晴らしい作り手さんがいらっしゃります。まだまだ訪れてみなくてはいけないワイナリーがいっぱいあります。
「試飲したワイン全てを、『美味しい』って思うことってなかなかないよね」フィレンツェの友人(女性)がふともらした言葉です。私もとても共感しました。味わいは好みですので、美味しいと表現するのはソムリエとしては失格だ、と言われたこともありますが、少なくとも私達は大満足なデグスタッツィオーネになりました。(男性二人に関しては、購入したワインの量がそれを物語ってております。”大きな”なお買い物も終え、大満足。気持ちも大きくなったところで、最後にみんなで記念写真。ほんとよく飲んだし、よく買った(笑) 自宅の近所では買えないから良しとしましょう!

こちらのカンティーナへのご同行など、ぜひご連絡下さいね!3名様まででしたら自家用車で、4名以上様でしたらハイヤーでお供いたします。お気軽にお問い合わせください。

2017年7月18日
丹羽淳子

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カンティーナ名 Le Caniette レカニエッテ
HP http://www.lecaniette.it
住所 C.da Canali, 23 63065 Ripatransone (AP)
問合せ  info@lecaniette.it
電話  +39 0735 9200
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マルケ州ワイナリー『Sartarelli/サルタレッリ』へ


フィレンツェからソムリエの友人カップルが遊びに来てくれた7月2週目。マルケ州土着品種の白ブドウ「Verdicchio / ヴェルディッキオ」が好きな友人が自ら予約をしてくれたカンティーナ(ワイナリー)がこちらの『Sartarelli/サルタレッリ』でした。たまたま私も年始の偉大なマルケワイン試飲会で(ブログはこちらです)、このカンティーナのオーナーであるPatrizio 氏と知り合い、カンティーナ訪問を勧められていたので渡りに船で私も同行させていただくことに。
カンティーナがある場所は、ヴェルディッキオ デイ カステッリ ディ イエージが生産される中心地です。この場所はアドリア海から約20Km ほど内陸に位置し、なだらかな丘にぶどう生産者の畑が広がります。この海風がぶどうに独特の風味を与えるとのこと。

7月頭という事にもあり、ひまわり畑も美しいですね。そして、この左側の写真の真ん中にチョコンと見えるのが、ロッソコーネロの生産地となるコーネロ山です。マルケ州のワインにはアドリア海から受ける影響が大きいです。

こちらのカンティーナで作られるワインはすべてがVerdicchio。また、ワインの醸造には木樽は全く使われず、ステンレス樽のみになります。この日はたまたま日本向けのワイン出荷の準備中。裏エチケットにもしっかりと日本語表記があります。Sartarelli社は日本でもよく知られるVerdicchioワインメーカノーの一つだと思います。私もイタリアに住む前から知っていました。もちろんこのエリアを代表するワイナリーの一つであることは間違いなく、私たちが訪れた本当に少し前に、堂々と立派な新しい社屋が完成したばかりとのこと!
テイスティングルームからの眺めも抜群!
経営自体はとてもファミリーな感じなのに、すごいです。
実際、この日、私たちの訪問を迎えてくれたのはオーナー婦人、そして案内をしてくれたのはオーナーの息子さんにあたるトンマーゾ氏。娘さんはエキスポートを担当されていて、この日は国外にいらっしゃったとか。有名なカンティーナなのに、完全に家族経営でらっしゃってちょっと驚きです。

 

 

 

 

 

さて、こちらが件のトンマーゾ氏。しゅっとしてはります。カンティーナで、シャツを着用されている方なんて、初めて見たかも(笑)
彼らの作る3種類のFermo、1種類のスプマンテ、1種類のパッシートを今回はいただきました。カンティーナのVisitaと、ワインテイスティングも込みで一人5ユーロとのこと。ただし、ある程度の本数のワインを購入すると、この料金は割り引いてもらえます。マルケ州でカンティーナ巡りをしていて思うことは、本当にどこのカンティーナも「スプマンテ」を作り出しているという事。ヴェルディッキオのスプマンテ、本当に数多くつくられていて、彼らも2010年ころから作り出しているそうです。度数も12パーセント程度で、軽やかな仕上がりでした。

こちらがバーゼ(基本)となるClassico。上質な造り手を感じる癖のない綺麗な味わいです。トンマーゾ氏曰く、一番特徴的なのが、このあたりのヴェルディッキオはアーモンドの香りを感じる事。確かに、ちょっとだけもったりとしたナッツの様な感じはありますね。白ワインなのに面白い重さです。4本目に戴いたのがこちらのBalciana。

Balnaccia とはこのワインに使われるぶどうが育つ谷の名前が由来です。北向きの畑で、そのため成熟するのが非常に遅く、11月中旬ごろだそうです。因みに普通のVerdecchioは9月中旬頃が収穫期。2ヶ月も遅くに収穫するんですね。味わいは驚くほど濃厚。そもそもの品種自体の重さに、なんとも言えないまろやかさが相まった他ではあまりいただけない不思議なバランスです。ぶどうの選定も念入りにされていて、出来が良くない年に関しては生産をしないとのこと。じっくり熟成して楽しむこともできます。カンティーナ価格でClassicoよりも3倍以上の価格! 日本でもなかなか良いお値段で販売されているようです(私はこちらを一本だけ購入しました。熟成させていただきます!)
最後はPassito. 熟しきった葡萄を使って作られる甘口ワインです。ドルチェと一緒や、チーズなどと一緒に戴く食後用のワイン。
想像通りの美味しさ。
確かに甘いです。非常に甘さは感じますが、Verdicchioの持つ力強い酸味がうまく作用し、程よいドルチェワインに仕上がっています。小さなグラスで少し戴くのにはちょうど良い美味しさ。日本の方にも喜んでいただけそうです。

独自のワインづくりを目指して、いわゆる国際品種ワインと言われるぶどう品種を栽培し、数多くのエチケットをラインナップするカンティーナが多い中、Verdicchio種のワインだけで今の地位を得られていて、このエリアのワイン造りや生産者の代表の一社としてがんばっていらっしゃるSartarelli社のワイン、日本でもTerravert さんが輸入されていらっしゃるので、ぜひ召し上がってみて下さい。

トンマーゾ氏と一緒に訪れたフィレンツェ在住のソムリエである友人と共に。

2017年7月10日
丹羽淳子

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カンティーナ名 Sartarelli サルタレッリ
HP http://www.sartarelli.it/
住所 Via Coste del Molino, 24 60030 Poggio San Marcello
問合せ   contact@sartarelli.it
電話  (+39)0731.89732
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マルケ州ワイナリー『Tenute MURÓLA/ テヌーテ ムローラ』へ

 

4月15日、土曜日。
16日がパスクアということで、家族でのランチで戴くワイン購入をもくろみ、ピチェーノにあるカンティーナ『Tenute MURÓLA』に行ってきました。お昼ご飯を食べた後、軽く休憩を取り早めにアンコーナの自宅を出発!が、途中、アウトストラーダ(高速道路)上で車から異音が…。幸い目指していた出口に近い場所だったので、ハザードランプをたきながら料金所外へ移動し前方左車輪がパンクしている事を確認。パートナー汗だくになりながらもスペアタイヤの交換を完了させ、カンティーナを目指し再出発したのが夕方18時前…。どうなることかと不安になりながらも、営業終了時間19時前に少し余裕をもってマチェラータ・Urbisagliaにある彼らのもとに到着し、ワインの試飲を愉しむことができました。

『Tenute MURÓLA』の名前を私が聞いたのは去年にあたる2016年秋。マルケ州とAISが監修するワインガイドで、彼らの『JUREK』が、マルケ州でのメトド・クラシコ製法によるスプマンテとして、州を代表するワインに選定されたのがきっかけです。 最近、このエリアで注目されつつあるぶどう品種”RIBONA”を使い、さわやかさ、キレ、苦みを残しながらも、まろやかな仕上がりのスプマンテ。この『JUREK』、AISイタリアが毎年発行するワインガイドの2017年版でも最高の評価 4 viti AIS を受賞し、フェルモワインでも為しえなかった”Ribona” (現地ではMaceratinoと呼ばれてもいます)品種での最高評価受賞という快挙を成し遂げました。
マルケの多くの造り手はスプマンテを醸造するのには特別な機材が必要なため、ヴェネト州などのスプマンテ生産が盛んなエリアに葡萄を持ち込んで製品化するらしいですが、彼らは自分たちのカンティーナでその機材とノウハウをそろえマルケ州内で製造しているということ。はっきり言って、これはすごい資金力!

資金力のすごさはこの外観からも…。写真の撮り方がいまいちですが、「え、ここはスーパータスカン生産地?」と見まごうかのようなエントランスのアプローチ。
このカンティーナは300年以上前からこの地に続くポーランド系一家が、本業(電気関係のお仕事だとか。恐らくとてつもなく大きな大きな企業)の傍ら、自分たち家族のワインにかける情熱を形にしたものとのことで、事業としてワインの製造・販売を始めたのはまだ最近の事とのこと。なので、見るものすべてが新しく、びっくりするほどモダンでセンスのあるものばかり。

写真左は、受付・精算カウンター奥にある量り売りワインコーナー。こんなにかっこよいあつらえ、みたことありません! 社名板もワインのディスプレイもまるで美術館か?と見まごうような仕様。
 「今日は外国人のお客様がひっきりなしで超疲れた」と言う、販売取引担当のアンナさんに簡単に館内を案内してもらうも、なにもかもどこもかしこもがピッカピカ。「情熱だけで作ったの」なんてことだけでは済まされない、外国人客やインポーターさんにはぐっと印象深くのこるであろう、最高レベルのプレゼンテーションに圧巻されっぱなしでした。試飲スペースだけでも、数カ所あったかしら? こんなに豪勢なカンティーナが近所にあったことに、本当に驚きが隠せません。

 

左は、なんとご先祖様とナポレオンが一緒に描かれたもの。ご先祖様は本職の関係でナポレオン軍の一行と行動を共にしていたらしいです。右側は壁面全面に描かれたワインに関する重要な書籍の背表紙。全く知らない物ばかりでしたが、「有名すぎるものばかりだから、ソムリエのあなた達なら知っている物ばかりよね」と仰っておられました…。イタリア語わからないふりで乗り切る。
そんなこんなで感嘆の辞を述べながら15分程度でざっと館内を見学。
いよいよ試飲の開始です。
このカンティーナでは、有料で、10e:スタンダードタイプ、12e:土着品種タイプ、15e:エレガントタイプ、と3種類の試飲コースが用意されており、私たちは悩んだあげく、土着品種タイプを選択しました。

VITIGE』Verdecchio di Matelica D.O.C.G 2015
香りはメロンやパイナップルのちょっと熟れた南国フルーツの雰囲気もあり、さわやか感あり。口に含んだ瞬間、華やかさが広がるが、ヴェルデッキオの骨太感はあまりなく、かなりまろやか。もともと、この地が海だったということで土壌にはミネラル分がたっぷりと含まれており、ワインもミネラル感があふれることが多いけど、このVITIGEはミネラル感もかなり抑えめ。飲み始めから最後の余韻まで、控えめなミネラル感の主張を感じるコンパクトに綺麗にまとまっていました。

 

AGAR』COLLI MACERATESI DOC RIBONA 2015
初めてか、、、それとも前に飲んだことがあるか?マルケ州の土着品種”RIBONA”リボーナ。みずみずしく白い花の香りを強く感じます。味わいは、おおお、苦い。いや、苦みがふわふわしている感じ。ほとばしる苦みではなく、口の中にぼわっと広がる苦みが感じられます。飲み口は軽やかですが、この苦みは夏にキンキンに冷やしてちょっと脂身のある魚のマリネ料理なんかと一緒に戴きたい。ミネラル感と、あと、すこし草的な青い感じも。裏をかかないシンプルさが特徴的。パートナー的には「かなり良い感じでできているRIBONA」とのこと。


ORBESALLIA』Rosso Piceno DOC 2015
試飲最後のROSSO PICENOはモンテプルチアーノとサンジョベーゼ。色はきれいなルビー色で、縁は少し褐色した感じ。味わいにはかなり若々しさを感じるフレッシュなインパクトがありながらも、最後はきれいにタンニンが広がります。モンテプルチアーノの持つブルーベリーやブラックベリーの甘重いフルーツ感はサラリと集約されている感じ。ガッツリお肉料理に、というより、お肉を使ったパスタ料理やラザニアなんかに良く合いそうな味わいでした。

テイスティングのおともに、と提供戴いたサラミ類とチーズ。「豚は私たちが飼っているの。彼らの肉を使って作っているものなの。保存料を使っていないからすぐ変色しちゃうけど、味は良いわよ」とアンナさん。
そう、、、イタリアのワイナリーで試飲をする場合、有償なら必ずと言ってよいほどサーブされるこの「おつまみセット」。日本でならこの一皿だけで数千円はするんじゃないか?とう代物。二種類のハム、チーズと山盛りでしたが、素晴らしい味わいにもちろん完食…。そう、このハムがRosso Picenoに良く合いました。

余談ですが、テイスティングを終えた後ワインを数本購入したら、ワインテイスティング費用二人分はサービスしてくださいました。驚き!もちろん、浮いたお金でもう2本『JUREK』を購入したのは言うまでもありません。

私たちがテイスティングを行った部屋は、ゆったりとした応接室スタイルで、室内には、彼らの家族の歴史を物語る写真が何枚か展示されていました。
設立にファミリーの5人が代表になっているとか。多いですよね兄弟や親族で世襲しているパターン。もめないのかな?なんてゴシップ想像をすぐにしてしまいます。
お恥ずかしい話しですが、この『Tenute MURÓLA』のワイン、日本にいるときに拝見したことは無かったのですが、デイリーユースな価格帯のワインは輸入されているようですね。モンテプルチアーノ100%の『TEODRO』2016年のSakura Awardも受賞していました。
私としては、マルケ州のワインづくりの力を世界中に知ってもらうためにも、彼らのつくるメトドクラシコ製法のスプマンテ『JUREK』が、早く全世界へと広がらないかしら…と楽しみにしたいことろ。

ちなみに、、、パスクアにはこちらのロザートのスプマンテ『JOLE』を戴きました。2013年のSakura Awardで金賞を受賞しているとか…。すっきりとかなりドライ感がしっかりした味わい。イチゴの香りが満載でした。アンティパストにあわせてついつーいと1本空きました。ごちそうさまでした。
こちらのカンティーナさんでの試飲のアテンドなど、ご質問やリクエストは下のお問い合わせからどうぞ!

2017年4月18日
丹羽淳子

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カンティーナ名 Tenute MURÓLA テヌーテ ムローラ
HP http://www.murola.it
住所 C.da Villamagna, 9 – 62010 Urbisaglia (MC) Italia
問合せ   info@murola.it
電話  (+39)0733 506843
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wine ワインの勉強『Viticoltori Finocchi / ヴィティコルトリ フィノッキ』

1月7日、土曜日。
2017年はイタリア在住のソムリエらしく、ワインの勉強をしなければと思い立ち「近所にあるカンティーナ(ワイナリー)も全然行けてないわ。どこから行くものか?」と悩んでいたところ、 パートナー氏の元に「ワインを直接、生産者まで買いに行きたいんだけど、一緒に行かない?」一本の連絡が入りました。因みに、パートナー氏は生粋のイタリア人。生まれは北部のピエモンテ州で、今の住まいがここマルケ州。彼自身も10年ほど前にAISのイタリアソムリエの資格を取り、趣味としてワインを楽しんでいて私にとってはワインの師匠の様な存在です。
そんなパートナー氏が今回お友達のために選んだカンティーナさんはこちら。
Viticoltori Finocchi  ヴィティコルトリ フィノッキ
カンティーナがあるStaffolo/スタッフォロはアンコーナから山側へ30Km程度。マルケ州だけで生産される白葡萄種『Verdecchio/ヴェルデッキオ』を使ったワインで有名なエリアです。この生産者さんは2017年版のAISが選ぶマルケ州で飲むべきワインの一つにも選ばれいて、パートナー氏のお眼鏡にかないました。本のページ右側のボトルの右肩に小さく葡萄のマークが見えますよん?それが受賞の印しです。
(マルケ州らしい、やわらかな丘にある彼らの畑と、雪が積もった当日の様子。)

さて、この日は驚くほど寒い日でしたが、私たちが到着した午前11時頃にはカンティーナはSfuso(量り売りワイン)を買い求めるお客様でいっぱい。そんな中、ひいおじいちゃんの時代からのワイン造りを受け継ぐご兄弟マルコ氏、マウリツィオ氏のお二人が私たちを快く出迎えてくれました。屋号のFinocchiは彼らの名字とのこと。野菜のFinocchioの複数形かと思っていた私って一体‥? (Finocchioは日本ではフェンネルと呼ばれています。イタリア語ではOで終わる単数名詞の多くは、複数形になるとそのOがIに置き換わります。)
「ワインの試飲、あぁ大丈夫さ!どんな感じで飲んでみたいの?」と、その場で早速試飲開始。試飲用の整頓された美しい部屋でもなく、まさに今ワインを売っていた暖房も椅子も無い店先で私たちの試飲会は始まりました。
あ、でも、受賞の賞状もちゃんと飾られていますよ!
身振り手振りいっぱいで、詳しく説明中の図。ひいおじいちゃんが1900年初頭にワイン造りを始められ、今では育てる葡萄にあわせて4エリアで畑を所有し、ワインを製造するカンティーナも新しく建て替えられたとか。立派ですね!
この日戴いたワインは以下の通り。

『Incrocio Bruni 54』  I.G.T. Marche 2015
Verdecchio dei Castelli di Jesi D.O.C Classico 2015
『IL POJO』 Verdecchio dei Castelli di Jesi D.O.C Classico Superiore 2015
『FIORE』 Verdecchio dei Castelli di Jesi D.O.C.G Riserva  2012
『GIOVE』 Marche Rosso I.G.T. 2012
『FILELLU』 Rosso Piceno D.O.C  2011
『VISCIOLE』 このエリア特産の甘口リキュール。さくらんぼのエキスと赤ワインで作られます。

 

 

 

 

 

 

ワイン試飲のお供に、と急遽用意してもらったお口合の品々。タッパーに入ったままで出されたサラミは自家製だとか。塩の加減と脂の具合が最高でした。羊の乳を使ったチーズは、なんと近所に住むサルデーニャ地方から来た方が作ったものとか!サルデーニャ島は羊牧が有名なのです。抜群の美味しさ。ドルチェはマンマお手製でVISCIOLEとのアビナメントに持って来い!さすがイタリアンマンマ。よくわかってらっしゃります。
『Incrocio Bruni 54』  I.G.T. Marche  は、ソーヴィニョンブランとヴェルデッキオの交配種の葡萄、その名もIncrocio Bruni 54 を使ったワインです。ヴェルデッキオの力強さとソーヴィニョンブランの柑橘系のあるニガ爽やかさがあいまった味わい。

Verdecchio dei Castelli di Jesi D.O.C Classico は、ヴェルデッキオ100%のシッカリボディの白ワイン。ヴェルデッキオらしい骨格のしっかりした、それでいて少し華やいだ雰囲気が最後に感じられます。

『IL POJO』 Verdecchio dei Castelli di Jesi D.O.C Classico Superiore   は、クリュ(ぶどう畑)を選別し、選りすぐりヴェルデッキオ葡萄を使っています。瓶詰めまでに1年間の熟成を施し、味わいもすこし落ち着いた深みを感じられます。香りはフローラル、アーモンドなど。味わいはアロマティックで少しスパイスの感じもあります。

『FIORE』 Verdecchio dei Castelli di Jesi D.O.C.G Riserva  は樽熟成を施した、かなりしっかりとした味わい。ただ、ヴェルデッキオが果実感の高い葡萄なので、熟成感があいまっても古びた感じはなく、トースト香、アーモンド香の中にも生き生きとした果実感が楽しめるのが特徴的です。ソースをしっかり使った魚料理なんかにとっても合いそうですね。

 
Giove と FILELLU のエチケットは新しくなります。サイト参照ください。

『GIOVE』 Marche Rosso I.G.T. 「サンジョベーゼ100%だから『ジョーヴェ』って名前なんだ」と、ダジャレか!と突っ込みたくなったこちらのワイン。栽培し始めた時期は21世紀に入ってからで、今回味見させていただいたものが、市場に初めて出たヴィンテージだとか。樽熟成を経ているので、味わいはまろやか。サンジョベーゼらしい酸味も美しく感じられ、バランス良し。

『FILELLU』 Rosso Piceno D.O.C こちらはほぼモンテプルチアーノ種で、ジョーべ同様、樽熟成を経たもの。山葡萄やブルーペリーなのフルーツの香りも楽しめ、ワイン感があり、ほどよいボリュームが楽しめます。

『VISCIOLE』 さくらんぼのシロップと赤ワインを使って作られた甘口リキュール。こちらでは食後の口直しとして、また、ドルチェと合わせます。多くの生産者は完成した赤ワインを使うのですが、彼らは赤ワインになる前のモストと呼ばれるぶどうの絞り汁とさくらんぼシロップを合わせ発酵させています。味わいは全然違いますよ!甘さがとてもマイルド、酸味もとっても気持ちよく、甘いリキュールが苦手な私でも、酸味とアルコール感に助けられ美味しく頂けました。

100年以上も前から続く家業を受け継ぎ、つくりたいワインにあわせてブドウ畑を選定し購入している彼ら。葡萄の栽培や扱いに対するこだわりも強く、今だに収穫は手作業で行っているとか。もちろん世界にも目を向けていて、VinItalyにも10年ほど参加し海外数か国へも輸出を開始しているそうです。
寒さが厳しく、彼らご自慢(おそらく)の新しいカンティーナに伺うことができなかったのが心残り。ま、また来る理由が出来たからOKとしておきましょう。

2017年1月11日
丹羽淳子 にわあつこ Atsuko Niwa

追伸)その晩に早速彼らのスプマンテ、開けちゃいました。フルーティで苦味あり。ピザにぴったり。美味しい♪

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カンティーナ名 Viticoltori Finocchi  ヴィティコルトリ フィノッキ
HP http://www.viticoltorifinocchi.it
住所 via Donatori del Sangue, 6, 60039 Staffolo (An) Italy
問合せ   info@finocchiviticoltori.it
電話  (+39)0731.779573
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