マルケ州ワイナリー『Le Caniette/レ・カニエッテ』へ

フィレンツェからやって来たソムリエカップルと巡るマルケ州のワイナリーシリーズ第2弾。第1弾の『Sartarelli』編はコチラから。また1週間以上日があいてからの投稿です。忘れないように早く早く!と思いながら、もうこんなに日が経っていて「そりゃ、年を取るのも早くなるわ」と納得です…。 さて、気を取り直して本題です! このカンティーナ(ワイナリー)、マルケ州の最南部のアスコリピチェーノ県に位置します。もう少し南側はすぐにアブルッツォ州。アドリア海から少し内陸部にこのカンティーナは位置しますが、写真の通り高台に位置し、その為アドリア海も望むことが出来ます。この地勢が美味しいワイン、いや、マルケ州独特のワインを産む秘密なんでしょうね。ただ、このエリアになるとヴェルディッキオは栽培されておらず、白ブドウの品種はもっぱら、ペコリーノとパッセリーナなどになります。こちらのワイナリー探訪を所望したのはわがパートナー。美味しいと有名で、確かに私も何度か彼らの受賞したワインを頂戴したことはあります。でも、実際あまり味を覚えていなくて、エチケットの印象のみ。そのエチケットもあとからご紹介いたします。
 
さて、試飲の前にはお決まりのカンティーナ内探訪。
ひょえ!樽だらけ!大きな二部屋を見学できるのですが、おなじみのステンレスタンクなどは見受けられず、全て木樽が配されています。「山の傾斜に堀り込む形で造っているから涼しんだよ」とのこと。確かに涼しい。それにしても、生産量がそれほど多くないと聞いていましたが、その割合としてこの樽の量は多すぎない?と不思議に思っちゃうほど。でもよくわかりました。フレッシュさが決め手の白ブドウ品種、ペコリーノにも樽熟成をしたりするんです。なるほどね~。
試飲スペースとなるのはこちらのサーラ(部屋)。前面がガラス張りで、最初写真の風景を楽しめます。室内の調度品もオシャレですね。どんなワインがいただけるのかワクワク。
この日、私たちを3時間にわたってガイドしてくださったのは、こちらのカンティーナのオーナーさんの一人、Ginoさん。ご兄弟で運営されているらしいです。Ginoさんは基本は畑の管理が主。土曜日にもかかわらず、3時間も我々にお付き合いくださって本当に感謝です。途中、奥様から「私らこれから海に行くから」なんて電話も受けてらっしゃりました。彼の説明はとっても丁寧。でもコマーシャルな感じは全くなく、作り手として実直にわかりやすくお話しくださった姿が印象的でした。本当に、ワイン、そしてカンティーナは「人」が作るものですよね。美味しさの印象も、その対応一つで全く変わります。どんな仕事、事象でもこれは根本として変わらずあるものでしょうね。

試飲1つめ。Lucrezia  GP Passerina 2016
100%パッセリーナを使った白ワイン。こちらは樽は利用せずステンレスタンクのみでの精製。香りはお花やフルーツの香りがはっきりと感じられ、味わいも華やか。さらっと簡単に飲めちゃう白ワインかと思っていましたが、味わいも豊か。
2つ目は  Veronica  DOCG OFFIDA Pecorino
ペコリーノ100%。こちらもまたペコリーノが持つ個性をしっかりと感じます。ちょっとトロピカルな黄桃やパンションフルーツの感じ、酸味も綺麗で飲みごしよし。7ヶ月の瓶熟成、フィルターせずに澱も一緒に瓶詰めしているとか。
因みに、こちらのワイナリーのブドウはBIO認定を受けています。自然の力をしっかりため込んだ味になっている!と実感。

そしてそして3本目、4本目は、嬉しい驚きがあった DOCG OFFIDA PECORINO「IO SONO GAIA」。私はGAIAよ。という意味のワインなのですが、なぜにこの名前かと言いますと、先の二本の白ワイン、どちらも娘さんのお名前らしいんです。でも、まだお一人名前がワインになってらっしゃらない娘さん,GAIAさんがいらしゃり、その彼女の名前を一番新しくできたワインに、彼女が小さい時に描いた絵をエチケットにして付けたんだとか。確かに、このエチケットは個性的ですよね。そして、味わいも個性的。それもそのはず、こちらが件の1年間の樽熟成をきかせたペコリーノワイン。味わいに丸みを帯び、かなりスモーキーな雰囲気が漂います。ヴァニラ香ですね。さわやかさは薄れもったりまったりとした感じに。「これって、もっと待って(熟成させて)から飲んでみたらどうなるの?」と2015年モノ(写真左)を戴いてからGinoに素朴に質問をしたら、なんと特別に2010年のヴィンテージも試飲させてくださいました! それが写真右。色が全然違いますよね。これほど変わるものなのか。。。とびっくり。味わいも驚くほどにまろやか。しっかりと感じていたバニラ感がやらかく、何のひっかかりもなく口の中を通っていく素敵な味わいです。これは嬉しい発見でした。

 はい、それでは5本目。やっと赤。
ROSS BELLO
DOC PICENO サンジョベーゼ50% モンテプルチアーノ50% うーんなんでもとっても美味しいんです。まず一つ目は香りが高い。この日は猛暑だったのに、こんなに赤ワインが美味しく感じるとは…。酸味を感じ、赤い小さな木の実の香り、味わいもブルーペリーやラズベリーの酸味の利いた甘さがあります。こちらはステンレスもしくはセメント樽のみでを使って醸造されています。

 
6本目は MORELLONE DOC PICENO 70%モンテプルチアーノ 30%サンジョベーゼ  2年間の樽熟成を経て、モンテプルチアーノ多め。しっかりした味わい、ボディ、余韻、まろやかさUP。
7本目 Nero di Vite(ぶどう畑の黒)サンジョベーゼ50% モンテプルチアーノ50%  お値段がちょっと上がります(笑) こちらは、新樽を使って3年間の熟成を利かせたもの。このクラスに来ると味わいもかなり変わってきます。このワインだけを噛んで飲みたい。ブルーベリーや黒い果実をじっくり煮込んだような甘さ、でも酸味もうっすらとあり、タンニンも綺麗に感じることでき、余韻ももちろん長い。チョコレートの苦みや、野菜の持つ青苦い味わいも感じられます。

そして、最後の1本はこちら。Marche Rosso IGT Cinabro。 Bordò 100%。
このクラスのワインはなかなかマルケ州では出会わない逸品。Bordòと呼ばれる品種で、クローンはグルナッシュ(実際のところ、いまだちゃんとは解明されていないとか)、こちらを100%利用です。因みにフランスは全く関係ありません。
30ヶ月、115lというミニ木樽で熟成、その後瓶詰めし、最低6ヶ月間の熟成を経てリリースされます。Ginoさん、このワインを試飲するために特別なワイングラスを用意してくださいました。グルナッシュってこんなんでした?(私のイメージは甘さとタンニン)というような、スパイス感。甘さはありますが、今までの経験のある、ねっとりした甘さというよりも、サラッとした果実感の甘さです。タンニンはほどよく柔らかくなり、余韻が長い…。これはもったいなくて残さず全部いただきました。そして、我が家にも1本お持ち帰りさせていただきました。恐らく、勿体なさ過ぎて何年も飲まずに大事に温存されている事でしょう…。
こちらのこのBordòを使ったワインは、このエリアの少数の生産者で大事に造られているシリーズだそうです。マルケ州で知らない人はいないであろうカンティーナ『Oasi Degli Angeli』もこのうちの一カンティーナだそうですよ。 こちらのLuciano Pignataroさんのブログに紹介されていました。
 Grazie a http://www.lucianopignataro.it/

我が家から車で1時間程度の場所。それだけの距離なのに、全く異なる性質、味わいを持つ異品種のワインが楽しめます。そして、この近くにも数多くの素晴らしい作り手さんがいらっしゃります。まだまだ訪れてみなくてはいけないワイナリーがいっぱいあります。
「試飲したワイン全てを、『美味しい』って思うことってなかなかないよね」フィレンツェの友人(女性)がふともらした言葉です。私もとても共感しました。味わいは好みですので、美味しいと表現するのはソムリエとしては失格だ、と言われたこともありますが、少なくとも私達は大満足なデグスタッツィオーネになりました。(男性二人に関しては、購入したワインの量がそれを物語ってております。”大きな”なお買い物も終え、大満足。気持ちも大きくなったところで、最後にみんなで記念写真。ほんとよく飲んだし、よく買った(笑) 自宅の近所では買えないから良しとしましょう!

こちらのカンティーナへのご同行など、ぜひご連絡下さいね!3名様まででしたら自家用車で、4名以上様でしたらハイヤーでお供いたします。お気軽にお問い合わせください。

2017年7月18日
丹羽淳子

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カンティーナ名 Le Caniette レカニエッテ
HP http://www.lecaniette.it
住所 C.da Canali, 23 63065 Ripatransone (AP)
問合せ  info@lecaniette.it
電話  +39 0735 9200
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Wine/vino/ピエモンテ州ワインの勉強『Cocchi/コッキ』『Bava/バーヴァ』

2月11日、土曜日。
一緒に住むパートナー氏はピエモンテ州アスティ県生まれ。たまたまこの時期に帰省することになり、『それならば』と時間を無理くり作ってなんとか一つのカンティーナにてワイン試飲をさせてい頂いてきました。地元の方に『このあたりで有名なカンティーナを紹介して』とお願いしたところ、『あぁ、有名で美味しいワインを作っているところが近くにあるよ!日本にも輸出しているし』とのお答え。欲を言えば、日本で味わえないものを試してみたい気も山々ですが、わがままを言える立場でもないので、ありがたくご紹介いただきました。
こちらです。
Azienda Vinicola BAVA アジエンダ ヴィ二コラ バヴァ
COCCHI コッキ
どちらもピエモンテ州ワインとして有名なワインメーカー。バヴァはバローロなどこの地を代表する赤ワインを多く生産しており数々の賞を受賞しています。そしてCOCCHIは元々菓子職人の方が始めたワイナリーでワインとしてはスプマンテのみを生産。ワインの他にお菓子に合わせるリキュールも手掛けています。COCCHIとしてのカフェテリア・バールもアスティの中心街に健在。とっても素敵な空間でした。もともとは別会社ですが、今ではなんでもオーナーは同じなようで、畑の場所はいろいろあれど同じ場所で試飲販売が可能とのこと。Monferratoエリアで、丘陵地が広がるこの地はこの日もあたりはすべて「霧」の中で、いわゆるネッビオーロ(Nebbiolo)がその名前のごとく育まれる環境を実感しました。(イタリア語でNebbiaは霧を指します)。

 

肌寒い2月初旬の朝、カンティーナをぐるっと丁寧に案内いただき早速試飲へ!
数十種類のボトルが並ぶ試飲エリアで『興味があるものを教えてください。ご用意しますから』と、なんとも親切なお言葉。もちろん、無料試飲。
『全部!』と言いたい気持ちをこらえて、5種類に厳選しました。試飲後にそんなにいっぱい買えないのでね…(涙)

 

まずは泡から、ということで、
COCCHI  ALTA LANGA Blanc’ D’ Blanc
ピエモンテ州DOCGの一つアルタルンガ。ロンバルディア州のフランチャコルタと同様にメトドクラシコ(瓶内二次発酵)製法になります。
シャルドネ100%、5年間の熟成を経たもので、香は白い花や桃などを感じる繊細さ。泡も細かく持続が長く、味わいは程よいボディを感じるフルーティさ。アペリティーボとして、ゆったり楽しんでいただくことをお勧め。

 

BAVA Barbera d’ Asti LIBERA
BAVA社の白ワインは飛ばして、赤ワインへ直行。早速、ピエモンテを代表するバルベラ種100%のLIBERA。スティルタンクを使った醸造で18ヶ月もの間樽でゆっくり熟成。香りや味わいともまだまだ若々しさを感じます。フルーツ感たっぷりですが、呼称のようなピリッとしたスパイス感も楽しめます。酸味のうしろにはタンニンもあり、ほどよいボディでした。。
過去にDWWAも受賞しているとか。

 

BAVA ALBAROSSA
ピエモンテ州の土着品種の1つアルバロッサ100%。耳にするのも口にするのもはじめてと思われるこちらの品種は、ネッビオーロとバルベラの交配種だそうです。
二杯目に戴いたLiberaとは全く違う香りとインパクトにビックリ。やはりネッビオーロの力?土を感じる深く濃い味わいと、後味にはスパイスやコーヒー苦味がぐっと広がります。これはこれでかなり個性があって面白い。個人的には燻製肉によく合うと思います。価格×インパクトのバランスはなかなか良いと感じました。

 

BAVA BARBERA d’ Asti Superiore Nizza Piano Alto 2011
いよいよ女王の登場です。繊細で優雅な味わいが待っていること間違い無しの逸品。やはり歴史ある生産者さんが造るワインって、間違いないんだよな、と思わせるバランス感。赤い木の実、カシスやブルーベリ-ラズベリー、薔薇の様な香り。綺麗に混じり合っています。味わいもタンニンも感じる中に、綺麗に酸味とうまみが合わさっています。

 

BAVA BAROLO 2009
とうとう最後…BAROLOです。試飲以外でなんて飲む機会ほとんど無いイタリアワインの王様。ネッビオーロ特有の重くてちょっとだけジットりとした雰囲気はどんなものかと口にしたところ、いや、かなりスムーズ。びっくりするほどバランスが良く出来ています。アルコール度の高さ、タンニンの深さも嫌味なく届くこの仕上がり。タンニンを美しくしまい込む為、熟成にすごい技が隠されてそうな雰囲気…。詳しく聞けませんでしたが…

本日戴いた5種のワイン全て。カンティーナ(ワインの製造工場)は美しく整頓され、販売拠点となるエノテカもモダンで素敵。何をとってもイタリア一美食の州と言っても過言ではないピエモンテ州のカンティーナさん。世界各地のレストランでワインとお料理のアビナメント晩餐会を開かれていらっしゃるようで、各地で開かれた会のポスターも展示されていました。日本でも数回開催されていましたよ!(写真、撮り忘れております。なんとぼんくらな!)
MOSCATO D'ASTI

そうそう、当日のランチの後に頂戴するドルチェと一緒に戴くように、とMoscato d’Asti を購入。20人余りのパートナー氏親族とともに頂きましたが、皆さん、美味しさに絶賛しておりました。泡のないFermoタイプですが、軽ーく発泡感もあり、何と言ってもちょっと苦味のある甘さが綺麗に口の中で溶ける感じが絶妙でした!親戚一同はみんなアスティ人。そんな彼らをも唸らせたこのワイン、なかなかのスグレモノです。食後に甘いワインを戴く習慣が無い日本ではちょっと難しいかな…。
2017年2月28日
丹羽淳子 にわあつこ Atsuko Niwa   /  Sommelier di AIS

Amazon.com でこちらが購入可能です。

Barbera Cocconato Stravecchio 1964 Cantina Bava バルベーラ コッコナート ストヴェッキオ 1964 カンティーナ バーヴァ [並行輸入品]

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カンティーナ名 BAVA Azienda Vitivinicola e di Invecchiamento
バヴァ アジエンダ ヴィティヴィニコラ エ ディ インヴェッキアメント
HP http://www.bava.com/it/
住所 Strada Monferrato 2,  14023 Cocconato Asti, Piemonte Italia
電話  (+39)0141 907 083
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カンティーナ名 Giulio Cocchi Spumanti Srl
ジュリオ コッキ スプマンティ srl
HP http://www.cocchi.it/
住所 Strada Monferrato 2,  14023 Cocconato Asti, Piemonte Italia
電話  (+39)0141 907 083
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