カンティーナ訪問記:Cantina Lumavite

カンティーナ訪問記:Cantina Lumavite

9月も半ば。夏はとっくに過ぎたというものの、まだまだ暑い日が続きます。
この時期はイタリア全体でワイン用のブドウ収穫が行われており、そんな忙しい時であるにも関わらず、
Fermo県にあるCantina Lumaviteでは、素敵なイヴェントが開かれ行ってまいりました。

モンテプルチアーノ。美味しい❤

彼らの作るワインはいわゆるイタリアの政治的なワインカテゴリーにあてはまるように造られておらず、
自分たちが好きなブドウ品種で、少量でありながらも最高級の品質のワイン造りをモットーにしています。
そう、いわゆるDOCGやDOCというカテゴリーに入るものが赤ワインでは一つもない。
これって、日本の市場ではなかなか受け入れられないことなんだろうな、って思います。
やはりDOCGって付いていないと、本物って感じがしないのでしょうね。
実際のところ、美味しいワインかそうでないかということと呼称制度は全く関係ないのですが止むなしです。
そのせいか日本での公式な取り扱いはまだ無いらしく、只今インポーターさんを探しています。
ご興味のある方、ぜひご連絡くださいませ。

イヴェントの内容というのは、彼らの作るワイン二種類の名前が古代ピチェーノ人の勇士の名前をとったもので、
それにちなんで、この土地やその歴史について研究者の方からのお話しをお聞きするというもの。の
イヴェント自体はタイトルにもあるように、このコーナーがメインだったはずですが、
おそらくこの研究者さんの気遣いでしょうが、彼のお話しはなんと5分程度で終了。
イタリアではとっても珍しい。。。みんな話しだしたら終わらないのに。でも、こういう歴史を知っていると、色々と感じることが変わって来るのも事実。
2000年前に小高い丘の上に城壁をこしらえて、国を造って、、、本当にすごい文明です。
そして、その悠久の歴史を持つ小国たちの礎がまだそこかしこに残っています。

さて、研究者さんのお話の後はお待ちかねの試飲タイム。
ですが、今回はそのワインの試飲タイムの前に、収穫したばかりのブドウで発酵がほぼ終わった段階のモスト(ブドウ果汁)の試飲をさせていただけるという、とてもスペシャルなオモテナシがありました!
簡単に言うと、ブドウ果汁内の糖分が酵母の作用によってアルコールへと変換するわけですが、
今回戴いたモストは甘みなし、ブドウエキスと少しの渋みを感じるもの。
ですが、えぐみや嫌な感じはなく、もうこのままでもワインとして販売しても大丈夫なのでは?と思うほどの出来栄え。
そう、彼らのワイナリーのモットーは、”ワインはカンティーナではなく畑で造られるものだ”というもので、
どれだけ畑で良い仕事をしたかのみが、ワインの味わいを左右する、と言っているのです。
ブドウ自体が素晴らしい出来でないと、いくらカンティーナでスーパーに手をかけた醸造作業を行ったとしても、本当の美味しいワインにはなりえない、ということ。
たしかに、このモストを戴き純粋に美味しいと感じられたことで、彼らのモットーがすんなりと理解することが出来ました。

カンティーナの軒先でパーティ
お決まりの首から下げるグラス袋

すっかりうっかりしてワインボトルの写真を全く撮影しておりません…。
参加された人々の楽しそうな様子の写真だけで失礼します。
ただ、今回のイベントで感じたのはワインの味見をするだけではなく、
ちょっとした気付きのきっかけや、興味を引き起こしてくれるような手作りイヴェントを行うことは
私達消費者にとってはとてもありがたいことで、
地元に密着した生活をし、商いを行うイタリア生活ならではのことだなぁと感心しました。
商品を売るという感じでなく、あくまでも収穫時期のお祭りという雰囲気で気軽に楽しめるのがミソですね。

今回は奮発して12本購入しました。半分は日本へ、半分は自宅用です。
ゆっくり戴くことにします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です